ナギサちゃんは、私の“釣り友”のみんなと釣りに行っていました。
その頃私は釣りをしていなかったので、残念ながら一緒に行くことはなかったのですが、みんなで食事したり、話したりしたことは多かったので、ナギサちゃんがいかに釣り好きか、という話しはよく聞かせてもらいました。
ナギサちゃんは、食べることも大好き。何でも食べて、決して残しません。
よく魚をキレイに食べることを、「骨しか残さない」と言いますが、ナギサちゃんは、「骨も残さない」のです。
焼き魚でも、煮魚でも、ポリポリやってるなと思っているうちに、お皿は空っぽ。よほど歯が丈夫なのでしょうか。
釣り場でのナギサちゃんは、とても明るい表情で、生き生きしていたそうです。
何でもテキパキとこなし、他の人の手伝いまでしていたという話しを聞いて、きちんとした人なんだなと感心していました。
ところが、仕事や私生活のこととなると、これがまるっきり・・・。
特筆すべきは、ナギサちゃんの嘘。大きな事から、小さな事まで、とにかく嘘をつくのです。
はじめは、怒ったり振り回されたみんなも、しだいにあきらめムードで、彼の話しを楽しむようになってきました。
嘘が芸の域にまでいっている人って、はじめて見ましたよ。
何かつらいことがあったのか、単に飽きてしまったのか、ある日突然どこかへ行ってしまったナギサちゃん。
丸くて大きな目をまっすぐに向けて、生き生きとした表情で、嘘をついたナギサちゃんは、今頃どこで何をしているのでしょうか。また会いたいな。一緒に釣りにも行きたいな。
私は、ナギサちゃんが、釣りが好きだっていうことだけは、本当のことだと信じています。
('05年5月7日)
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