霞流一 / 著
文庫書き下ろしの連作短編集です。
四季折々の魚をテーマに、春『顔面神経痛のタイ』、夏『穴があればウナギ』、秋『夕日で焼くサンマ』、冬『吊されてアンコウ』の四作品。
それぞれ完結していますが、最後に仕掛けが用意されているので、順番に読み進めましょう。
被害者、加害者、殺害方法、動機など、謎解きのヒントになることが、“釣り”や“魚”に関連しています。
探偵、紅門福助の元に持ち込まれる奇妙な依頼。いつも謎解きのヒントとなるアドバイスをくれるのが、精神科医の宇大公彦。ちょっと風変わりでつかみどころのない人物です。
探偵相手の釣り談義、魚談義は、とても興味深いものがあります。その会話の中に事件解決のきっかけがあり、さらに事件にちなんだ魚料理をご馳走になりながらなのですから、探偵にとって至れり尽くせりです。
鯛めし、ヒツマブシ、七輪で焼いたサンマ、アンコウ鍋。事件にちなんで、というのはかなり悪趣味ですけど、とてもおいしそう。
夏の話しに出てきた、イカの塩辛をのせて大根の煎り葉をまぶしたお茶漬けも、ぜひ試してみようと思いました。
作者もやはり魚を食べるのが大好きだそうで、あとがきで、四種それぞれの好みの食べ方が紹介されています。
日常の謎と殺人の謎がリンクして、それぞれの事件は解決します。
本格ミステリー好き、連作好き、そして、釣り好き、魚料理好きの私にとって、貴重な作品です。
('04年10月17日)

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『おさかな館』前の紅門探偵の活躍。
『デッド・ロブスター』は、“エビとたいこもちの曼荼羅模様に彩られたバカミス最高傑作!”。『呪い亀』は、“全編カメづくしの直球ど真ん中の本格ミステリー”。(「出版社/著者からの内容紹介」より)