藤井克彦 / 著
東京の下町出身で、子どもの頃から長く釣りに親しんでおられる著者による入門書。
随所で釣りの思い出や経験が語られていて、読み物としても楽しめます。
また、釣り雑誌の創刊・編集長を経て、現在、釣漁技術史・江戸前遊漁研究家としてご活躍の著者ならではのエピソードは、とても興味深いです。
若い読者に向けて書かれた本のようですが、“ジュニア新書”とは無縁だと思っている人でも充分楽しめます。
海、川、湖の釣り場や、そこにいる魚について、道具の機能、釣りの基本について、一通り説明されているので、最初の一冊として最適だと思います。
そして、釣りの技術より何より、もっと大事なのは、釣り場での安全対策とマナーです。
自然が相手ですから、危険はいっぱいです。著者の危険な体験や、悲しい思いでも交え、語られています。
私たちは、常に気を配らなければいけません。自分が危ない思いをしたくないのはもちろん、同行者の釣り仲間や、周りの釣り人に怪我をさせるようなことはあってはならないし、ましてや死に立ち会うような経験は絶対に避けたいことです。
そのように必ず守らなければいけない“約束事”があり、そして釣りを楽しもう、単純に楽しめ、でも奥が深い“一生モノ”だということを伝えてくれているのだと思います。
長年かけて目的の魚を釣り、思わず人目もはばからず涙した男性の話。“釣った”と“釣れた”との違いを、幼い頃の著者に愛情あふれる厳しさで教えてくれた船頭さんの話など、素敵な人びとも語られています。
そして、“読むだけの釣り”なんてありえないので、やはり海や川に行かなくちゃ。
「釣りの世界へようこそ。行ってらっしゃい。気をつけて」
優しく送りだしてもらえる“最初の一冊”でした。
('04年9月25日)

著者は、藤井汐竿のペンネームでも活躍されています。
この『釣りに行こう』の中で、多くを学んだと紹介されているのが、檜山義夫・著『釣りの科学』。
伝統を大切にし、新しいものにも目を向ける好奇心が、素敵だなと思います。

『釣りの科学』は、アマゾン等で探しましたが、見つかりませんでした。
古書店で探すしかないかも知れません。
東京大学オンライン蔵書目録データベースによると、1969年初版の岩波新書です。
檜山義夫氏の作品で、興味深いものを見つけました。
「『釣り』を考える」 , つり人ノベルス(つり人社)
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檜山義夫氏は、東大名誉教授、また財団法人・日本釣振興会専務理事であり、江戸前のハゼを守るために力を尽くされた方だそうです。
「『釣り』を考える」は、釣りを愛した博士が、後輩たちのために書き遺した「釣り」の随筆。『魚釣るこころ』(東京書籍 1982年刊)の再録と『魚心釣心』(文徳社 1952刊)からの抜粋をまとめたもの。
こちらもぜひ読んでみたいと思っています。

●著者のその他の作品
藤井克彦
『江戸前の素顔 遊んだ・食べた・釣りをした』 , つり人社
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藤井汐竿
『楽しい海釣り入門 海釣りの基本とすぐに役立つフィールド別釣法のすべて』 , 日本文芸社
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『まんが 漁師のマル秘料理 簡単!豪快!新鮮!』 , 日東書院
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『初めての釣り 釣りの基礎知識から釣り場選び、道具、釣り方、そして料理法まで Big1』 , 主婦と生活社
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『必ず釣れるはじめての人の釣り』 , 西東社
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●ビデオ
『水中で見るカワハギ釣り』 , 文藝春秋
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私が調べた時('04年11月現在)は、品切れ中でした。
ちょうどカワハギ釣りに行く予定でしたので、代わりというわけではありませんが、『必釣!カワハギ』というビデオつきの本を購入しました。(釣りの本・7「必釣!カワハギ)